あばたもゑくぼ
去年の暮れに腕時計を新調せしことは以前の記事にも記せるがごとし。Gショック DW-5600、普段使ひのものとしては吾人にとりて初のデジタル腕時計なり。
その前に使ひたるものはオリエントの自動巻きのものにして、針の進み若干速かりければ、2週間に1度ほどのペースにて時刻の修正を要せり。その更に前に使ひたる電池式の腕時計はほとんど時刻の修正を要せざりければ、吾人これをいささか不便に思ひたり。
しかるに今回は電池式しかもデジタルのGショックなれば、もはや電池の切るるまでは再修正は不要なるべし、と思ひきや、1ヶ月当たり2~3秒狂ふことに気付けり。些細なるズレとはいへども、重ならば見過ごしがたきズレにならんことなれば、月初めにその数秒を修正すること、吾人の新たなるルーチンとなれり。
いはば月に1度、腕時計の面倒を見やることになりたれど、かやうに若干の手間を掛くることも、また かの腕時計への愛着を深むる一要因となりたるやうにも思はる。
しかれどこれは、吾人かれを大いに気にいりたりといふこと前提にあればなるべし。もしニュートラルなる視点にてこのことを見ば、「余計なる手間を掛けしむる奴ぞ」と鬱陶しく感ずるに相違なからん。いはばアバタもヱクボといふやつなるが、これもまた物を所有することの一つの楽しみなりと言ふも可ならんか。